『夏の庭』 – 2026年8月定期便

『夏の庭』
BOX
2026年8月定期便
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夏の庭が包む、幼き記憶。
庭のまなざしが、優しく包む
幼き頃の夏を思い出すとき、そこにあるのは特別な出来事だけではなく、むしろ、何気ないふとしたときの暮らしの記憶かもしれません。
朝の葉に残る、涼やかな露。
縁側に置かれた瓶ビールとその王冠の煌めき。
たゆたう湯気の奥にある、祖母の気配。
畳の間に流れる読経と、白檀の香り。
今回の「夏の庭」に込めたものは、夏という存在が想起させる「明るさ」や「熱」だけではありません。
肌を撫でる、朝の涼風。
言葉にはならない、大人への憧れ。
戻ることのない、柔らかな温もり。
祈りの場に満ちていた、やさしい静けさ。
夏の庭の静かなまなざしを通すことで、こうした夏の情景が皆さまの夏へと繋がっていく。
そんな感覚を、四つの一粒に映しました。


あの時の夏が広がる、四つの味わい
今回お届けしたのは、「暁露」「夏風」「余温」「香韻」の四つの味わい。
朝露をまとった無花果の葉に宿る、青く甘い香り。
日盛りの庭を渡る、日向夏とホップ、麦酒の余韻。
相生晩茶の湯気に重なる、淡くたゆたう温もり。
夏の終わりに静かに残る、白檀と祈りの香り。
夏を一つの味で捉えるのではなく、幼き夏の記憶に挟み込まれた栞を辿るように、4つの視点から味わいを組み立てました。
それぞれの箱には、同じショコラを二粒と、使用した素材を収めています。
最初の一粒は、物語とともに。
素材を知る前に、その場面の空気や、ふと浮かぶ記憶に身を委ねていただけます。
もう一粒は、素材とともに。
香りや味の背景を知ることで、最初には気づかなかった世界が、静かに立ち上がります。
同じショコラでも、宿る記憶や広がる景色は少しずつ違う。
その違いを味わえることもまた大切にしております。
幼き日のあの夏の日々に、もう戻ることはない。ともすれば、ひっそりと影を伸ばすように寂しさが募ります。ですが、それ故に恋しさ、憧れ、安らぎといった感情もまたその輪郭を凛としたものにするのかもしれません。
「夏の庭」が、皆様の中に眠るあの夏に、静かに触れる一粒となりますように。
in The Box

暁露
夏暁の余韻と
はじまり
朝露をまとった無花果の葉が、
やわらかな陽を受けて香り立つ。
指先でそっと触れれば、
小さな雫が、肌に移る。
蝉が鳴き始めるまでの、束の間の余白。
夜明けの涼気が、満ちている。
ラジオ体操へ向かう道。
肌を撫でる風はどこか涼しく、瑞々しい。
ふと鼻をかすめる、夏の気配。
草いきれの手前にある、
青く、甘く、みずみずしい葉の香り。
夏は、静かに動き出す。
使用素材
・無花果
・レモン
・ココナッツ
・オーツミルク

夏風
微かな憧れと
黄金の夏風
照りつける昼の日差し。
吸い込む空気までもが、真夏の熱を帯びている。
縁側では、父が瓶麦酒を開ける。
小さく弾ける、栓の音。
グラスへ麦酒が流れ込み、
白い泡が、ふわりと立ち上がる。
夏風を浴び、喉を鳴らし、一気に飲み干す父。
その姿になぜか惹かれ、小さな王冠を手に取り、
そっと鼻先へ近づける。
少し錆びたような香り。
その奥にかすかに残る、麦酒の余韻。
この香りが、美味しさというものなのだろうか。
幼い夏の日に、大人を少しだけ覗いた記憶。
使用素材
・ホップ
・日向夏

余温
淡くたゆたう
夏の温もり
祖母は毎朝、
大きなやかんで相生晩茶を炊いていた。
庭から吹き込む、夏の風。
台所から立ちのぼる湯気が、
家いっぱいに、静かに満ちていく。
その一杯は、
何気ない日常そのもの。
けれど、久しぶりに口にした瞬間、
祖母の声も、風の匂いも、
汗ばんだ手の感触までもが、
胸の奥に静かによみがえる。
もう戻ることはできない。
けれど確かにそこにあった、夏の記憶。
使用素材
・相生晩茶
・コロンビア産カカオ

香韻
長い祈りと
夏の香韻
お盆の昼下がり。
外では蝉の声が、途切れることなく降り注ぐ。
低く伸びる、お坊さんの読経。
畳の部屋に、ゆっくりと染み渡っていく。
首を振る扇風機が、
少し遅れて、こちらへ風を送る。
その風に乗って届く、白檀のお線香の香り。
夏の湿った空気が、静かに混じり合っている。
痺れる足を気にしながら過ごした、長い時間。
夏を思い出す、大切な記憶。
使用素材
・白檀
・インド産カカオ

























